食品添加物と謳っている次亜塩素酸の除菌剤とキエルキンを比較!厚生労働省に質問
某大手食品会社様で空間の落下菌に対する空間除菌の実験を行いました。落下菌に対して空間噴霧の十分な効果を実感して頂きました。
そこで、実験の時に比較された他の次亜塩素酸水溶液(商品B)とキエルキンが行われ、同じ次亜塩素酸を使った除菌剤ですが、違いあるかどうかご紹介致します。
※商品名は伏せて、商品Bと致します。
■目次
■キエルキンは生成機械を導入して工場内であれば食品添加物となる
キエルキンを工場内で生成して使用するのであれば、厚生労働省にも認められた次亜塩素酸水溶液として活用できます。
しかし、あらかじめ次亜塩素酸ナトリウムに酸を混和したものは食品添加物製剤ではないため、普段使用されているキエルキンは食品添加物とは謳っていません。
●キエルキンの化学反応式
NaOCL+HCL→HOCL+Na⁺+Cl⁻
厚生労働省によると、生食用鮮魚介類、生食用かき及び冷凍食品の加工基準において次亜塩素酸水及び、次亜塩素酸ナトリウム並びに水素イオン濃度調整剤として用いれれる塩酸に加えpH調整剤として用いれられる二酸化炭素の使用を認めることとした。
引用:生食発0608第4号(平成28年6月8日)食品、添加物等の規格基準の一部を改正する件について 厚生労働商医薬・生活衛生局生活衛生
■商品Bは食品添加物製剤ではない?
次亜塩素酸ナトリウムのみを薄めたものであれば、食品添加物製剤で間違いありません。
しかし、商品Bは次亜塩素酸ナトリウムとpH調整剤のリン酸2水素カリウム(酸性)をあらかじめ混和した次亜塩素酸水溶液です。
故に、食品添加物製剤として酸をあらかじめ混和している場合食品添加物製剤ではありません。
また、厚生労働省によると、食品工場内で次亜塩素酸ナトリウムと混和する酸は塩酸またはクエン酸等とあり、そのほかの物質は保健所に確認して使用する必要があります。
※保健所のクリアがない限り食品工場内であっても食品添加物製剤になり得ません。
こちらの商品を調べていくと疑問に思うところも出てきました。
1 殺菌試験結果(大腸菌)の試験結果で従来の次亜塩素酸水200ppmで殺菌できていないが、厚生労働省のデータと異なっていました。(厚生労働省の試験結果40ppmと57ppmどちらとも比較)
2 内容は次亜塩素酸水溶液であるにも関わらず、次亜塩素酸ナトリウムの食品添加物製剤と記載していました。
●商品Bの化学反応式
NaOCL+KH₂PO₄→HOCL+Na⁺+Cl⁻+K⁺+H⁺+PO₄²⁻
■商品Bキエルキンの違いについて
・上記の商品Bとキエルキンの化学反応式をみると反応後次亜塩素酸以外の物質はでないですが、商品Bでは乾燥した際に塩になって残留物ができてしまうこと
・商品Bは、1000ppmという高濃度の場合自分自身が反応してしまい濃度が急激に低下してしまいやすいこと
・生食用鮮魚介類、生食用カキ、冷凍食品の加工の場合には、次亜塩素酸ナトリウムにpH調整剤の塩酸と二酸化炭素以外は使用することはでないこと
食品会社様の結果として、どちらも同等に良い結果が先方から得られたと報告がありましたが、商品Bは食品添加物であるという理由でキエルキンの採用を見送られました。
実際には食品添加物ではないにも関わらずそのような決断をされたことは大変遺憾でしたが、私たちとしてはいい勉強させて頂きました。
次回以降は、その違いを明確に述べてキエルキンの良さをより伝えることができるように努めます。
参考資料下記一覧
■厚生労働省医薬・生活衛生局による次亜塩素酸に関する質問の回答
次亜塩素酸に関する質問を直接厚生労働省に確認を取りました。質問の前提は上記の厚生労働省ホームページの参考資料についてです。
食安基発第00825001号(平成16年8月25日)次亜塩素酸ナトリウムに酸を混和して使用することの内容の(厚生労働省医薬食品局、食品安全部基準審査)1.に次亜塩素酸ナトリウムに食品添加物である塩酸またはクエン酸等を販売、および混合して使用することは差支えない。
また、あらかじめ混和した水溶液では食品添加物にはならないと記載されています。また、生食発0608第4号(平成28年6月8日)食品、添加物等の規格基準の一部を改正する件についての(厚生労働商医薬・生活衛生局生活衛生)改正概要(1)に、次亜塩素酸水および次亜塩素酸ナトリウム並びに水素イオン濃度調整剤として用いられる塩酸に加え、pH調整剤として用いられる二酸化炭素の使用を認めるとしたとあります。(以下質問と回答)
Q1.平成28年に厚生労働省から発表されたものは前号の内要改正という認識ですか?
A1.内容の改正ではなく、別の内容となっており、平成16年の記述と平成28年どちらも有効です。平成28年では、使用用途に対して、より詳細に使用できる物質を限定しました。次亜塩素酸ナトリウムと混和する食品添加物の塩酸またはクエン酸は問題ないが、その他の物質の使用はおのおの保健所での確認が必要です。
Q2.平成28年の発表では、次亜塩素酸ナトリウムに加えるものは塩酸と二酸化炭素以外は食品添加物にはならないということか?
A2.生食用鮮魚介類、生食用カキ、冷凍食品の加工基準の場合は、記載の通りpH調整剤の塩酸と二酸化炭素以外は使用できません。その他のものでは食品添加物製剤にはならない。
Q3.平成16年に発表した次亜塩素酸ナトリウムにあらかじめ酸を混和したものの使用については食品添加物製剤でしょうか?
A3.あらかじめ酸を混和したものは食品添加物製剤ではありません。但し、使用前に混和する場合は食品添加物製剤となります。
■厚生労働省に質疑応答でのまとめ
・次亜塩素酸ナトリウムにあらかじめに酸を混和して生成しているキエルキンは食品添加物製剤ではないこと
・食品製造現場でキエルキンを作った場合には食品添加物製剤になること(殺菌料として使用出来て、最終食品の完成前に分解し,又は除去しなければならない)
・生食用鮮魚介類、生食用カキ、冷凍食品の加工の場合には、次亜塩素酸ナトリウムにpH調整剤の塩酸と二酸化炭素以外は使用不可なこと
以上、食品添加物と謳っている次亜塩素酸の除菌剤とキエルキンを比較!厚生労働省に質問についてご紹介しました。
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